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Cabin(キャビン)– 協働感を生み出すオフィス装置
Project

Cabin(キャビン)– 協働感を生み出すオフィス装置

リモートワークが普及した現代において、社員たちの思いや創造性をつなぐ装置
株式会社ワコムJan 20, 2021 ~ Jan 20, 2021
2021年に生まれたCabin(キャビン)は、コロナウイルスの蔓延によリ、リモートワークが推奨されるさなか、(株)ワコムとmui Labの共同開発によって生まれました。ソーシャルディスタンスという人と人が物理的に距離を置いて仕事や日常生活を送ることが求められ、企業においても同じ空間、同じ時間で働くことが難しい状況下、どのようにチームメンバーがコミュニケーションを取り、新規事業など新しい価値の種を育むことができるのかを模索したプロジェクトです。 Cabinは、小さな家のように見えることから「キャビン(Cabin)」と名づけられ、ワコム社員の日々のコミュニケーションの活性化や創発を目的に活用されています。ワコム新宿オフィスのクリエイティブスペース「コネクテッド・インク・ビレッジ」に設置され、今やワコムの国内外他拠点にも展開されております。

概要

  • クライアント:株式会社ワコム
  • 期間:2021年1月〜2021年10月
  • オンライン配信動画:2022年2月12日にワコムが主催した「コネクテッド・インク2021 アフター・ストーリー」にて、「キャビン」をご紹介しております。こちらよりご覧ください。

機能

キャビンという三角形の小屋では、四方から送られてきたメッセージ(想いやアイデアや絵など)を表示した後に星の点滅となって揺蕩(たゆた)い、呼び起こされると再現される装置です。家に設置しているmuiボードや、ご自身のスマートフォンのmui Cabinアプリを通じて、キャビンにメッセージを送ることができます。それらのメッセージは、キャビンの窓やキャビンの外壁に設置されているmuiシステムに表示され、しばらく経つと星になります。無数のメッセージが星となり窓の中に瞬いています。星に触れるとメッセージが再現されます。複数の星に触れるとそれら複数のメッセージと出会えます。いつどんな時に、誰が、どこから送ったメッセージかは分かりませんが、時と場所を超えて仲間の想いやアイデアに出会うことができます。もしかしたら、ふと現れた誰かの思考によって新たな発想につながることもあるかもしれません。時空を超えて共創する場に佇む小屋、それがキャビンです。

プロジェクト背景

コロナ禍以降、多くの企業がリモートワーク化へと移行し、働き方の多様な選択肢が増えています。また、メタバースやデジタルツインなどが現れ、デジタル世界の体験がリアルの世界に溶け込みつつある中、リアルとデジタルの意義が再定義されようとしています。ワコム社も例外ではなく、安全を担保した上での新しい働き方を模索されていました。ワコムの井出社長は、個の生き様を最優先し、時間や場所を選択的に決められること、意味のある集いを行うこと、ローカルコミュニティを反映した働き方を大切にしたいと考えていらっしゃいました。mui Labは、リモートワークとオフィスワークに伴う時と場所のズレに着目し、時と空間を超えて人と人がつながる「キャビン」を制作しました。

本プロジェクトは、mui Labのカーム・テクノロジー・プラットフォームとワコムのインクテクノロジーを融合して生まれました。

ワコムの思い

井出社長はこう話します。「私たちのつくる場は、職場としてのオフィスでもあり、コミュニティと連結していく場所です。唯一無二的な空間として聳え立っているというよりも、想像的混沌というコンセプトの下で常に回っている、そこから何かが生まれていくような場づくりを目指しています。コネクテッド・インク・ビレッジは、揺蕩っているものの点在が運命に引き寄せられるように増えていく感覚があります。規模を大きくするというよりも、奇跡のような出会いをたくさん得られるように想いがつながっていく。「キャビン」は、ワコムのポートランドやデュッセルドルフオフィスに設置済みで、現在、盛岡ビレッジにも設置予定です。意図された象徴ではなく、揺蕩っているからこそ、ぶつかったりして偶発的にポップアップしていく、ぽつぽつと点在していく、そんなあり方を求めています。」

mui Labの思い

木に点滅する無数の星を見た時に、まるで夜空を見上げて煌めく星たちに命や尊い何かを感じたりするように、無数の星を見ることで仲間に思いを馳せたり、空想を巡らすきっかけになることを願って体験をデザインしました。ワコムのデジタルインク技術は、例えば人が迷って消した線なども忠実に再現できます。そういった人間的な現象が揺蕩っていて、それに出会った時、何か特別な想いを持つかもしれないし、ただ寄り添いたいと思うかもしれない。コンテンツに依りがちなデジタルですが、コンテンツにならないコンテンツも大切にしたい。オフィス(リアル)の場合、誰かに声をかけるのが必ずしもインプットやアウトプットだけが目的ではなく純粋に気遣いの交流だったりするように、人間的な余白や間といったもの、赤裸々な感情や思いも含めてキャビンで表現できたらと思いました。 ワコムが創り上げる共創空間「Connected Ink Village」において、一つ一つの星にある想いを紡いでいくと、どのような星座(絵姿)になっていくのか、楽しみです。

キャビン(Cabin)とは

キャビンは、人の気配が集まる小屋であり、時と空間を超えて共創する場に佇む装置です。
リモートワーク化が加速し、家とオフィスの境目がなくなってきた環境において、どのように同じ組織のメンバー達がつながることができるか?を追求し、mui Lab x ワコムならではの“軌跡を紡ぐ技術”を通じて、社員の気配や思いの集積を感じることのできる小屋、「キャビン」をつくりました。

メディア掲載

AXIS magazineの4月号紙面に4ページにわたってご紹介いただきました!
https://www.axismag.jp/vol216/

ワコム x mui Lab 協業のきっかけについて(柱の記憶プロジェクト)

クレジット

コンセプト、デザイン、エンジニアリング:mui Lab (株)
インク技術:(株)ワコム
キャビン設計:菱田吾朗
キャビン制作:Key Kilt

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