mui Labは、21_21 Design Sightにて開催される「2121年 Futures In-Sight」に出展します
mui Labは、2021年12月21日より21_21 DESIGN SIGHTにて開催される「2121年 Futures In-Sight」展に出展します。
「2121年 Futures In-Sight」展は、「Future Compass」(未来の羅針盤)というツールをきっかけに、未来を思い描くだけでなく、現在を生きる私たちの所作や創り出すものに内在する未来への視座を、デザイナーやアーティスト、思想家、エンジニア、研究者など、多彩な参加者たちとともに可視化していくことを試みるものです。身近な存在からまだ見ぬ他者、それらをめぐるさまざまな時間軸へ思いを馳せる中から生まれた未来にまつわる多彩な視座が会場に集結し、繁茂する草木のごとく複数形の未来を形成していくものと期待されます。
「未来」を考えるという姿勢自体を示す本展は、現在を生きる私たちとこれからを生きる世代にとって、デザインとともに明日を創造していくための豊かな洞察力(Insight)を養う機会となることを目的としています。
テクノロジーが人類の文化やライフスタイルをいかに変えるのか、その未来を見据えた数多くの書籍や雑誌を手がける編集者の松島倫明氏が展覧会ディレクターを務められます。
作品テーマ
mui Labは、提示されたコンパスから、How / Time / Feel ?を選び、以下の問いを立てました。
「私たちは家族の時間をどのように記憶するのだろうか?」
展示イメージ
作品解説
壁に掛けられて家族のメッセージを届けてきたmuiボードは、いつしか動かなくなったようだ。
そこに残された傷やメッセージの焼き付いた表情は、家族の歴史が垣間見られる家具のように、大切な思い出での痕跡となり、未だその場所に掛けられている。
いつしか、家族の日常的なコミュニケーションの場は壁面そのものへと役割を移していた。家族間で交わされたメッセージの軌跡がふとした瞬間に壁に浮かび上がる度、にまりと笑ったり、もの想いに耽ったりする。
かつて存在した家族の像がリアルに呼び起こされる。
展示意図
壁に設置された mui ボードは、すでに製品寿命が尽きたため、ネットワークへの接続がなく、LED 表示も劣化して正常には点灯できない状態であるが、かつて使われていたことを示す名残として、表面木目が内部 LED の長時間の照射によって焼けて跡形が見えるようになっている。muiボードの少し上の壁面真ん中あたりに、タイプライターのように表示されるメッセージと、それに回答するように誰かの手書きのメッセージが交互に現れ、会話がなされていることが想像できる。(情報の壁面への浸透)
100 年後の未来において、家族のコミュニケーションの一部は環境側に蓄積され、それをなんらかのトリガーによって見たり聞いたり体験することが可能になっていると想定する。
今回の展示では、家族によって紡がれた特定の時間を壁面にダイアローグ(対話)として表示する。そのことで家族の何気ない日々のやり取りが、家族の時間として残されていることを示したい。
壊れたmuiボードは、2021 年時点での製品が壊れてもなお、家族の思い出を残しているかのように部屋の壁にかけられているが、本来の用途としてはすでに使うことができないことを壁面情報表示と対照させることで、かつての情報機器としての muiボード、2121 年時点での壁面インターフェースが同じ家族の記憶を残していることを示したい。
「2121年 Futures In-Sight」オープニングトークにて、松島倫明さんにご紹介いただました!
「2121年 Futures In-Sight」展の概要
英語では優れた視力を「20/20 Vision (Sight)」と表現します。
私たちの「21_21 DESIGN SIGHT」という名称は、さらにその先を見通す場でありたいという、「未来」にむけた想いからつけられました。
この展覧会が始まる2021年から、ちょうど100年後–。私たちの活動の名称と同じ数字を持つ100年後の世界に想いを巡らせるところから、本展の構想は始まりました。
古くから人々は、明日の天気から国の繁栄まで、まだ見ぬ先の世界を捉えるために、さまざまな予言や予測を行ってきました。
近年では、情報解析や計測に関するテクノロジーの著しい進歩に伴い、より精緻な予測が可能になっているように感じられるかもしれません。しかし、そもそも「未来」は過去の延長線上にだけ存在するわけではありません。
現在、私たちは、世界的なパンデミックを体験し、生活様式やコミュニティのあり方、コミュニケーションの手法などにはじまり、物事の考え方や価値観など、ありとあらゆるものが劇的に変化していく様子を目の当たりにしています。
そのことは「未来」がいかに未知なるものであるかを私たちに強く実感させることとなりました。
本展は「Future Compass」(未来の羅針盤)というツールをきっかけに、未来を思い描くだけでなく、現在を生きる私たちの所作や創り出すものに内在する未来への視座を、デザイナーやアーティスト、思想家、エンジニア、研究者など、多彩な参加者たちとともに可視化していくことを試みます。身近な存在からまだ見ぬ他者、それらをめぐるさまざまな時間軸へ思いを馳せる中から生まれた未来にまつわる多彩な視座は、会場に集結し、繁茂する草木のごとく複数形の未来を形成していくものとなるでしょう。
「未来」を考えるという姿勢自体を示す本展は、現在を生きる私たちとこれからを生きる世代にとって、デザインとともに明日を創造していくための豊かな洞察力(Insight)を養う機会となることを目指します。
会期
2021年12月21日(火)- 2022年5月8日(日)
会場
21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
休館日
火曜日(12月21日、5月3日は開館)、年末年始(12月28日 – 1月4日)
開館時間
10:00-19:00(入場は18:30まで)
*入場予約制の可能性あり
入館料
一般1,200円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
各種割引についてはご利用案内をご覧ください
主催
21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
展覧会ディレクター
松島倫明
参加作家
青木竜太、安藤瑠美、e-lamp.(山本愛優美)、石川 凜、we+、evala、大塚桃奈(WHY)、岡崎智弘、岡島礼奈、木原 共、Qosmo × 朝日新聞社メディア研究開発センター、佐藤 卓、Synflux、諏訪綾子、生環境構築史、東京藝術大学 Sputniko! Lab(M2 岩藤愛実)、長嶋りかこ、PARTY、HUMAN AWESOME ERROR、廣川玉枝、深澤直人、舩橋真俊、Placy、細尾真孝、mui Lab、他
2121年 Futures In-Sight」展ウェブサイトはこちらよりどうぞ