「私たちは家族の時間をどのように記憶するのだ ろうか?」- 21_21 Design Sightで出展中の「2121年Futures In-Sight」について
mui Labは、2021年12月21日より21_21 DESIGN SIGHTにて開催される「2121年 Futures In-Sight」展に出展しています。 会期は、2022年5月8日(日)までです。「2121年 Futures In-Sight」展の詳細についてはこちらをご覧ください。
mui Labの展示について
<作品テーマ>
mui Labは、提示されたコンパスから、How / Time/ Feel ? を選び、以下の問いを立てました。
「私たちは家族の時間をどのように記憶するのだろうか?」
作品解説
壁に掛けられて家族のメッセージを届けてきたmuiボードは、いつしか動かなくなったようだ。
そこに残された傷やメッセージの焼き付いた表情は、家族の歴史が垣間見られる家具のように、大切な思い出での痕跡となり、未だその場所に掛けられている。
いつしか、家族の日常的なコミュニケーションの場は壁面そのものへと役割を移していた。家族間で交わされたメッセージの軌跡がふとした瞬間に壁に浮かび上がる度、にまりと笑ったり、もの想いに耽ったりする。
かつて存在した家族の像がリアルに呼び起こされる。
展示意図
壁に設置された mui ボードは、すでに製品寿命が尽きたため、ネットワークへの接続がなく、LED 表示も劣化して正常には点灯できない状態であるが、かつて使われていたことを示す名残として、表面木目が内部 LED の長時間の照射によって焼けて跡形が見えるようになっている。muiボードの少し上の壁面真ん中あたりに、タイプライターのように表示されるメッセージと、それに回答するように誰かの手書きのメッセージが交互に現れ、会話がなされていることが想像できる。(情報の壁面への浸透)
100 年後の未来において、家族のコミュニケーションの一部は環境側に蓄積され、それをなんらかのトリガーによって見たり聞いたり体験することが可能になっていると想定する。
今回の展示では、家族によって紡がれた特定の時間を壁面にダイアローグ(対話)として表示する。そのことで家族の何気ない日々のやり取りが、家族の時間として残されていることを示したい。
壊れたmuiボードは、2021 年時点での製品が壊れてもなお、家族の思い出を残しているかのように部屋の壁にかけられているが、本来の用途としてはすでに使うことができないことを壁面情報表示と対照させることで、かつての情報機器としての muiボード、2121 年時点での壁面インターフェースが同じ家族の記憶を残していることを示したい。
「2121年 Futures In-Sight」オープニングトークにて、松島倫明さんにご紹介いただました!
「2121年 Futures In-Sight」展の詳細についてはこちらをご覧ください。